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PjM兼Webエンジニアのつぶやき

心理的安全性を正しく機能させるためにやっていること

ランサーズ Advent Calendar 2022 8日目の記事です

10名前後のエンジニアがいるチームで、駆け出しEMとして抽象的で不確実な課題に日々向き合っています。道半ばですが組織の中で比較的熱量のあるチームになれていて、組織サーベイでも「相談しやすさ」「成長実感」が強みとして出ています

そんな我々の文化「雑談推奨」「厳しく期待し合う」について紹介したいと思います

我々のクレド(行動規範)

弊社の5つのバリューにもリンクしていて、メンバーの大切にしたい価値観なども含め定期的にアップデートかけています。今回は少し誤解が生まれそうな「雑談推奨」と「厳しく期待し合う」について説明したいと思います

「雑談推奨」の背景

「雑談推奨」と聞くどう感じるでしょうか?「雑談してる暇あったら仕事しろよ」って思う人もいるかもしれません。しかし自分は「チーム内外関係なく多くの人と積極的に雑談機会を作っていけ!」と言い続けています

身体が健康じゃないと、心理的安全性は生まれない

実はオキシトシンが分泌されるとドーパミンセロトニンが誘発されて分泌されることがわかっています。 セロトニンは心を安定させ、ドーパミンが仕事へのモチベーションや行動力を高めます。これが、心理的安全性が高いチームが生産性が高いことの答えです。 オキシトシンの分泌の原則は、「心理的つながり」と「身体的つながり」です。つまり、心理的安全性を高めるための施策にこの2つの条件を意識すれば必ず効果が出ます。例えば、チーム内での雑談(業務以外のこと、プライベートなことを含む気軽な会話)が有効です。

チームの心理的安全性を高めるにはどうすればいいのか?~『科学的に正しいチームメソッド30』より|HRzine

心理的安全性は「言いたいことを言える」側面をもっていますが、相手を思った言葉でも身体的な余裕がなければ逆効果になってしまいます(いわゆる正論で殴る状態)。成長の糧になるギフトを受け取れるための準備をしておきましょう

周りへの無関心はブリリアントジャークの始まり

有能だけど有害な人のことを Brilliant Jerks と言うとのこと 態度の悪い人が会社を去ると、会社全体、特にその人の下で働いている人たちの負担が軽減され、業績が向上するのです 「嫌なヤツ」がいなくなると、会社はまったく違った雰囲気になる。正直な会話がしやすくなる。社員はより幸せになる。より良い職場環境になる。さらに良いことに、あなたはそれを財務結果、顧客満足度、そして、おそらくあなた自身の自己満足に見ることができるでしょう。

No Brilliant Jerks - Netflixの「頭はいいけど嫌な奴、お断り」について調べた - Qiita

人間は不完全な生き物なので失敗しますし、誰しも意図せずブリリアントジャーク的な振る舞いをしてしまい、知らずのうちに"難しい人"というレッテルを貼られている可能性があります。信頼関係があればよしなに解釈してくれて裏で味方になってくれてたり、周りの声に素直に耳を傾ければあなたに気づきと成長機会を与えてくれると思います

相互理解が不十分だと、仮想の敵と戦い続けてしまう

建設的な議論を妨げる最大の要因は「感情的になっちゃうこと」なんです。本当に僕もそうだけれども、やはり自分が確信を持って言ってる意見を否定されると、カーッとなっちゃったりします。感情的になってしまって、建設的にならない。対立構造になってしまうんです。「推論のはしご」を駆け上っちゃうからなんですね。勝手に自分の頭の中でストーリーをダダダダダッと作っちゃうんです。

“難しい人”が1人入ると、チームの生産性は30〜40%低下する 対抗せずに、場の「安心感」を作るための3つの条件 - ログミーBiz

失敗をずっと責められている気がしたり、思い込みで勝手に周りを敵に仕立て上げてしまう。疑心暗鬼になって負のループに陥る、そんな時はいったん落ち着いて整理してとにかく状況理解に努めるべきだと思います。気軽に相談できる第三者に壁打ちするのも良いと思います。ふたを開けてみると敵なんてどこにもいなくて本質的には同じゴールに向かってる仲間の可能性がほとんどです

「厳しく期待し合う」の背景

我々の共通のゴールは成果を上げ続けることです。そのために我々は「いいチーム」じゃなく「勝てるチーム」になる必要があります。週120時間働こうぜ!って言いたいわけじゃありません。厳しく期待し合う関係性には成果を上げること以外にもメリットがあります

心理的安全性の安心感が先行してもうまくいかない

心理的安全性(psychological safety)」とは、組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のことです。 組織行動学を研究するエドモンドソンが1999年に提唱した心理学用語で、「チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」と定義しています。メンバー同士の関係性で「このチーム内では、メンバーの発言や指摘によって人間関係の悪化を招くことがないという安心感が共有されている」ことが重要なポイントです。

https://www.recruit-ms.co.jp/glossary/dtl/0000000230

よく陥りがちな罠が安心感を重視するあまりぬるい環境になったり、温度差が生まれることです。成果を達成するために勇気をもって厳しい発言をしても目線が揃っていないと緩やかにスルーされます。組織にとって必要な勇気ある発言をする人の居心地が悪い環境になってしまうことは本意ではありません

期待値を揃えることで一体感をもってゴールに向かえる

暗黙な期待値は成立せず裏切られることになるので、期待値をしっかり伝えることが大事です

成熟したチームであればメンバーが何を考えていて何をして欲しいか阿吽の呼吸で感じ取ることができますが、ほとんどのチームはそれをやると誰もボールもってない領域が生まれたり、何もしてくれない烙印をお互いに押しつけ合ってしまうことになります

1人が頑張って上げる成果にも限度があり、正しく期待し合うことで1人では到達することができない偉大な成果を生み出すことができます

キャリア安全性を作ることで期待は人生を彩るスパイスになる

心理的安全性が高いだけの職場では、若手は活躍できない|研究プロジェクト|リクルートワークス研究所

大手企業(1000人以上)の新入社員への調査の結果「職場環境が"ゆるくて"離職したい」若手が存在していることが明らかになった。かくいう弊社も昨年?一昨年?の新卒から「ぬるい」という声が上がったと聞いている。若手に限らず誰しも成長意欲はもっているため、安心感しかない環境は成長機会に乏しく振り返った時のQOLが低く不安になり続かない。

激務で鍛えられた人とゆるふわで働いている人、前者のほうが負荷をかけられるので総合的なスパンでのQOLが高くなるのでは? - Togetter

少し前に話題になったこれもそうで、なんでも屋ポジションで激務の経験がある自分はある程度同意。ただ、人に強要するものではないのと非生産的な激務に価値はないと思っています。振り返った時に自信になるような経験を積み上げられるかが大事だと思っています。一方でそこのジャッジは難しいので、その業務が将来何につながるか想像しつつ仕事を選り好みしない方が良いと思います。スキルの掛け算で戦う時代なのでいつかやって良かったと思う日が来ると思います

職場のキャリア安全性とは、「その職場で働き続けた場合に、自分がキャリアの選択権を保持し続けられるという認識」と言えるかもしれない

職場の「キャリア安全性」を考える|研究プロジェクト|リクルートワークス研究所

このコラムでは、「心理的安全性」に加え「キャリア安全性」を満たすことでワーク・エンゲージメントが上がるのではないかと言われています。チームメンバーとキャリアやWillを語り合うのもいいかもしれません。キャリアの選択肢や道筋をちゃんと描いてあげましょう

まとめ

雑談という行為は実はとてもレバレッジが効く行動なんじゃないかと自分は思います。

心理的安全性はぬるい環境を作るためのものではなければ、所構わず自身の正義をぶつけてもいいものでもない。どちらもバランス良く満たすためには相互理解に努め、目的とゴールを共有し同じ目線をもち、厳しく期待し合うことを是としないといけない

特に厳しく期待し合うことが少し弱い現状があります、感情的な強い言葉やとにかく残業しろみたいなムチは全くもって不要で悪であるが、メンバーのキャリアしいては人生を豊かにするためにも正しく期待することは大事だと思います

本当は言いたくないことでも勇気をもって発言した言葉に対して誰も責める人はいません。そう思って飲み込んでしまうのであれば対話や前提の共有をしっかりしましょう。たとえ失敗してしまっても「ナイストライ!」と称え合える関係性が素敵だと思います

心理的安全性つくったけどうまくいかない場合は、時間をかけてでもチームを見つめ直して足りないピースを埋めると良いのかなと思います

Google re:Work - ガイド: 「効果的なチームとは何か」を知る

自分と一緒に働くメンバーには数年後このチームで仕事できて良かったと思えるような今を生きて欲しいと思っています。一緒に働ける仲間も常に募集しています

以上、長文になってしまいましたが、読んでくれた方ありがとうございました

明日のアドベントカレンダーは@isanasanさんです(さかなクンさん的な)よろしくお願いします

qiita.com